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2007年1月24日

プラネテスを思い出した

弾道ミサイルによる人工衛星の破壊実験を中国が行い、高度860キロにあった気象衛星を破壊して、その破片が高度400キロ~3000キロにわたり観測されている模様。

ちなみに、米国も1985年に高度550キロにあった観測衛星の破壊実験を行い、この実験により生じた観測可能な大きさのデブリが大気圏に突入して完全に消えたのが1997年で、このことを反省して米ソは衛星破壊兵器の実験凍結を協定していたのですが、今回行われた衛星破壊兵器の実験は1985年の実験以来とみられます。

破壊された衛星の高度が860キロと1985年に破壊された衛星よりも更に高い軌道上にあった衛星なので、今回観測されたデブリが大気圏に突入して完全に消滅するのは20年後くらい?

それよりも問題なのが、アメリカが実験を行った当時とは比べ物にならない数の人工衛星が軌道上にあるということで、高度400キロで建設中の国際宇宙ステーションにもデブリがぶつかる可能性があるということですかね?

ぶつかったら大問題になりそうな人工衛星といえば、携帯電話やカーナビが使用しているGPS衛星もそうですが、こっちは高度2600キロくらいにあるらしく、大きなデブリの塊が観測されているのは低軌道らいらしいので、とりあえずこっちはセーフ?

デブリが人工衛星に衝突して新たにデブリが発生し、そのデブリ達が他の人工衛星に衝突してまたデブリを生み出す「ケスラーシンドローム」は、プラネテスを読んだ人にはお馴染みの言葉ですが、800キロ~900キロの軌道上では既にケスラーシンドロームが始まっているという論文も発表されているようで、今回の中国の実験により生じたデブリがこれに影響を与えなければ良いのですが。

宇宙に巨大な「破片の雲」国際ステーションに衝突も
http://www.47news.jp/CN/200701/CN2007012301000625.html

ケスラーシンドローム
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B1%E3%82%B9%E3%83%A9%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%A0

投稿者 kenji : 2007年1月24日 12:52


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